経済・金融政策に関する提言

金融アセスメント

「怒り」を「知恵」にかえて今こそ「金融アセスメント法」を制定しよう

2.今こそ「金融アセスメント法」を制定しよう

第1部いま、なぜ「金融アセスメント法」なのか

「金融アセスメント法」の解説での注釈
注1

金融機関への公的資本注入が実施に移されていますが、中小企業から見た金融機関の貸出姿勢は「ゆるむ」どころか、むしろ「厳しさ」を増しているのが現状のようです。

「東京商工会議所は『中小企業の資金繰り等に関するアンケート結果』をまとめた。それによると、中小企業の資金繰りは改善しているものの、民間金融機関の貸出姿勢については『厳しい』とする回答が増加している。

調査は、資本金1億円以下の会員中小企業476社を対象に、6月5日から10日までの期間実施した。

回答総数は447社で、回答率は99.3%。

…(3月に行った前回調査に比べ)民間金融機関の貸出姿勢については、『さらに厳しくなった』が6.8%で『相変わらず厳しい』の49.8%と合わせると、『厳しい』という回答が56.6%を占め、前回に比べ10.2ポイントも上昇している。

…貸し渋りが経営に及ぼす影響では『すでに限界にきており、経営に深刻な影響が出ている』が13.5%で前回に比べ1.5ポイント悪化した。

しかし、『このままの状況が続くと、いずれ経営に影響が出ると思う』は 3.7ポイント改善し44.4%となった」

(1999年7月14日付『日刊工業新聞』、( )内山口)

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注2

以下、この項目で述べることを整理するにあたっては、柴田武男聖学院大学教授の論文「金融機関の公共性と社会性」(『生活経済学会会報』第9巻 1993年12月所収)が非常に参考になりました。関心のある方は、同論文を読んでみてください。

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注3

中小企業庁長官の私的懇談会として設置された中小企業政策研究会の『最終報告』にも、次のように記されています。

「借入に際して代表者が個人保証を行っている企業の割合を資本金規模別にみると、資本金規模が拡大するに従い、保証を行っている企業の割合が減少しており、資本金規模と企業の信用力には関連性が認められる。

特に、資本金5億円以上の企業においては、個人保証を行っている割合が、16.4% に過ぎないのに対し、資本金3億円以下の企業では過半数を超える企業が個人保証を徴求されており、企業としての資金調達力が脆弱であることがわかる。

(『中小企業政策研究会最終報告』1999年5月中小企業政策研究会、 88ページ)。

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注4

「中小企業の場合、企業の債務を企業の代表者が保証していることが一般的なため、事業者の再挑戦も実質的に困難となっている」(前出『中小企業政策研究会最終報告』41ページ)。

なお、こうした問題の解決には、金融慣行の改善だけで対応することは難し く、「倒産法制」の整備を進めることも大切だと思われます。

「米国にとってもベンチャー企業の活躍にとって、80年代までに倒産法制が整備され、迅速な手続き、財産保全措置により失敗時のリスクを最小限にくい止めるとともに、家族の扶養権が一定程度保護されることとなった制度面での対応が重要な役割を果たしたとの指摘もある」

(同上、同ページ)

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注5

これら3つの観点のうち、「円滑な資金需給」と「利用者の利便」については、すでに現行の銀行法の31条に、合併等の申請があった場合監督当局が「審査」しなければならない事項として規定されています。調査項目としてはけっして目新しいものではありませんし、まして奇抜なものではありません。念のため、以下に現行法の関連部分を抜粋しておきます。

「第31条金融再生委員会は、前条の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。/ 一、…当該合併等の当事者である銀行又は信用金庫等が業務を行っている地域…における資金の円滑な需給及び利用者の利便に照らして、(合併等が)適当なものであること」

(( )内山口)

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